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2024/08/25 17:33

ここ但馬地方には、コウノトリという羽を広げれば2m弱もある大型の鳥が生息しています

このコウノトリはかつては日本各地に生息していましたが一度絶滅してしまいました

田んぼの圃場整備、湿地の消滅、田んぼの乾田化、一番の原因は農薬使用による餌生物の減少だともいわれています。

農薬で汚染された餌をコウノトリが食べて生殖能力にも影響を与えたともいわれています

昭和46年に日本で確認されていた最後一羽が、ここ豊岡にいましたが保護した後、死んでしまいました

そして時が過ぎ、『もう一度、コウノトリを野生復帰させよう』という動きが現れました

コウノトリを人工飼育し保護増殖に取り組む一方で、野生復帰するときの一番の重要なポイント

コウノトリが生きられる環境作り

餌場や湿地の確保が同時に進みだしました

当時の農家や、研究者、役場の方、JA

様々な方が意見を出し合い、コウノトリを野生に放しても生きていける田んぼや湿地をどのように作ればよいかを考えました

そこで生まれたのが『コウノトリ育む農法』なのです

過去の失敗を繰り返さないように、コウノトリに、餌になりえるカエルや虫に、そして人間にも優しい安全なお米作りを!!

具体的には、オタマジャクシがいる間は水を抜かないとか、毒性の強い殺虫剤を使用しないとか、カエルの住かとなる田んぼ周りの草に除草剤をかけないとか

私もこの農法にたずさわり15年がたちます

コウノトリ農法を行った田んぼでは1年目から劇的に水田生物が増えます

その感動が忘れられず、今では5ヘクタールで無農薬を、5ヘクタールで減農薬を栽培しています

そして多くの方に同じように感動を与えたくて小学生に食育として授業や田植え体験、生き物調査を行っています

この農法は右肩上がりで作付け面積が増えていて、ここ但馬では約370羽のコウノトリが野生にかえっています

手間と時間はかかりますが、やりがいと、そのお米の美味さは胸を張ってお勧めできます

食べることで自然豊かな環境が守られるって素敵だとは思いませんか?

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